事例
ExxonMobil(米)
構想から実現へ:ExxonMobilがNavVisでどのように
「現実化にかかる時間」を短縮したか
Michael Hotaling 氏はExxonMobil のエグゼクティブアドバイザーとしてオープンイノベーション戦略に従事しています。
今回の対談では、ExxonMobilとNavVisがどのように連携し、「現実化までにかかる時間」をいかに短縮しているかに焦点が当てられています。両社はグローバル規模でデジタルツイン基盤を構築することで、構想段階にとどまりがちなデジタル戦略を実際の業務に直結する価値へと迅速に転換していくーそんな実践的な取り組みについて具体的な視点から議論が交わされました。
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ExxonMobilにおけるリアリティファーストなインフラ
世界最大規模のデジタルツイン基盤の構築
FinnとMichael氏の対談では、ExxonMobilとNavVisがどのように連携し、デジタル戦略を現場の日常業務へと組み込みながら、そのあり方自体を進化させているのかが語られています。
Michael氏は「Mean Time to Reality(現実化までにかかる時間)」という独自のコンセプトを紹介しています。これはアイデアや「構想」が実際の現場で「実行」されるまでの時間を指します。大規模な産業組織において、課題となるのは”アイデアの不足”ではありません。むしろ本質的なボトルネックは、現場で利用可能な状態までにかかる時間(構想、計画、デジタル戦略等)にあります。
ExxonMobilでは現在、Michael氏が「世界最大のデジタルツイン基盤」と位置付けるプロジェクトを推進しており、その構想を実行するまでの時間を短縮することが同社の戦略的優先事項となっています。このデジタルツイン基盤は、単なる個別システムとして導入されるのではありません。企業全体の業務を横断的に支え、意思決定やオペレーションの基盤となる中核インフラとして構築されています。
地図から生きたモデルへ
この変化を説明するためにMichael氏はカーナビの進化を例に挙げています。かつてカーナビは単に地点AからBへの移動を案内するだけの存在でした。しかし現在では複数のデータを統合し、渋滞状況等をリアルタイムで把握しながら、常に最適なルートを提示し続けるカーナビへと進化しています。
デジタルツインも同様に、この進化を辿る必要があります。静的モデルでは価値に限界があり、真に有用なのは現実の状況を反映し続け、意思決定を支援し、さらには基幹システムと連携して機能する動的モデルです。また、Michael氏はこのアプローチによってチームが物理的な現実に基づいた視覚的な参照箇所を共有でき、部門間の縦割り構造を打破する助けになると主張しています。
そして、この仕組みを持続的に機能させるために不可欠なのが、相互運用性とオープンスタンダードです。企業全体で活用を広げるためには、データの取得・保存・処理・活用が特定の環境に閉じるのではなく、自由にアクセスでき、持ち運びが可能で、他システムと連携できる状態である必要があります。この考え方は、「現実のデータはオープンであるべき」というNavVis社のアプローチとも合致しています。
大規模な「データ取得」と「データアクセス」
このビジョンの実現には、現場のデジタル化をいかに効率的に進め、必要なデータへ迅速にアクセスできるかにかかっています。
そして、その中核を担っているのがNavVisです。
FinnはNavVisが従来の静的なワークフローと比べて最大10倍高速なデータ取得を実現しながら、地上型レーザースキャナー(TLS)に匹敵する精度を達成している点を強調しています。取得されたデータは産業用途に最適化されたソフトウェアによって処理・統合され、高い精度とパフォーマンスを維持したまま提供されます。その結果、世界中の数千人規模のユーザーが大規模データに対して検索・検証・コラボレーションを行える環境が実現されています。
かつては、このレベルで産業施設をデジタル化することはコストと時間の両面で現実的ではありませんでした。しかし現在では、運用面・経済面でも実行可能なものとなっています。ExxonMobilはこの転換期を捉え、迅速な意思決定と実行によって、計画・検証・実行のプロセスに現場のデジタル化を組み込み、実務レベルでの活用を推進しています。
ExxonMobilの社員にもたらす価値
Michael氏は社員が求めているものについても率直に語っています。もはや情報過多で扱いづらい静的なドキュメントや分厚いマニュアルでは不十分です。求められているのは視覚的なインターフェース、整理された情報、YouTubeのような学習体験、そして生成AIのように瞬時に必要な情報へアクセスできる検索性です。つまり社員は仕事と日常を切り分けるのではなく、使い慣れている情報の扱い方―その延長線上にある体験を業務にも求めています。
そしてMichael氏はその本質をこう総括します。「重要なのはテクノロジーそのものではない。働き方を変えられるかどうかだ」と。
NavVisは現実空間を“誰もがアクセスで理解しやすく、他システムと連携可能で、すぐにエンジニアリングへ活用できる状態”へと変換することを支えています。その結果、ExxonMobilは「現実化までにかかる時間」を大幅に短縮し、現在のユースケースにとどまらず、将来のニーズにも対応可能なデジタルツイン基盤を構築しています。

