事例
BMW社(独)
NavVisソリューションを活用して次世代の生産体制を加速
– NavVis IVION Enterprise(NavVis社のWebベースプラットフォーム)を通じて、写真のようにリアルなパノラマ画像、フロアプラン、点群データをBMWグループの全拠点に提供しています
– ミュンヘンを拠点とするモバイル・スキャン専門企業NavVisはそのデジタルファクトリー・ソリューションでBMWグループの生産ネットワークのデジタル化を支援しています
BMWグループ全世界の工場を3Dデータ化
2020年11月のプロジェクト開始以来、NavVisはウェアラブル型3Dレーザースキャナー「NavVis VLX」やドローンを活用して、BMWの工場約400万㎡のスキャンを完了しました。これには屋内100万㎡超、屋外4.5k㎡超という広大な面積を誇る米国サウスカロライナ州にあるスパータンバーグ工場も含まれています。さらに、57.5万㎡のミュンヘン工場とレーゲンスブルク工場の生産施設もすでにスキャンを成功させています。
2022年9月までにディンゴルフィング工場とライプツィヒ工場の3Dデータ化が完了して、さらに2023年春までに、メキシコ、南アフリカ、中国、イギリスにあるBMWグループ各拠点も完全にデジタル化される予定です。
次世代生産に向けたグローバル戦略
NavVis CEOのDr. Felix Reinshagenは次のように述べています。
「自動車業界における世界有数の企業であるBMWグループの生産ネットワークのデジタル化を支援できることを大変光栄に思います。私たちの協力関係はBMWの生産戦略ビジョンである”BMW iFACTORY”の実現に向け、全拠点のデジタル化がいかに重要であるかを実証しています。ミュンヘンを拠点とするスタートアップ企業として、NavVis社はグローバルな生産プロセスの完全なデジタル再設計に貢献する中心的な役割を果たすことができます。」
NavVis IVION Enterpriseを活用した3Dデータのグローバル活用
NavVis IVION Enterpriseを通じて詳細な3Dスキャンデータの公開以降、BMWグループ内では数千名規模の従業員がデータにアクセスし、日常業務で活用しています。NavVisデジタルファクトリー・ソリューションが提供する高精度な地理的位置測位とデータの定期的な更新を軸としたワークフローにより、現地の最新状況を反映した精緻な計画立案やデジタルツイン上でのシミュレーションが実現されています。
このスキャンデータは、物流やメンテナンスにおける生産プロセス計画に既に活用されており、時間のかかる現場訪問を不要としています。
特にグローバルな生産計画や工程シミュレーションにおいて、3Dスキャンデータは可視化、計画、共同作業の中心的な役割を果たしています。
BMW社のインターナショナルチームによる会議は、NavVis IVION Enterpriseをベースに行われることも多くあります。
「私が見ているものがあなたにも見えていますか?」という共通認識が、持続可能な共同意思決定の基盤を形成しています。
生産プロセスの仮想化により、国際的な標準を確立
BMWグループにとって、工場のデジタル化はe-モビリティへの変革を成功させるための重要な基盤です。BMWの生産戦略『BMW iFACTORY』は、LEAN、GREEN、DIGITALという3つの柱を掲げています。これは効率的、正確、そして極めて柔軟に稼働するグローバルに相互接続された生産ネットワークを構築し、資源を保護し、循環型経済を適用することを目指しています。データサイエンス、仮想化、人工知能はこのデジタル化の飛躍的な進歩に不可欠な要素です。
DIGITAL領域の目標は、2023年春までに主要生産工場を含む多くの拠点で高精度、高精細なマッピングを実現することです。3Dスキャンは完全なオブジェクト指向のデジタルツインに向けた「生産プロセスの仮想化」の第一歩に過ぎません。これにより、BMWの計画専門チームは物理的制約や時差を越えたリアルタイム共同作業が可能になります。これは、全ての構造物、生産設備、さらには個々のプロセスに関する計画の精度と効率を全く新しいレベルに引き上げます。
NavVisデジタル・ファクトリー・ソリューションは、仮想的に計画された製品を早期に仮想工場に直接統合することを可能にし、計画の労力を大幅に削減します。メンテナンスとサービス提供は自動化され、計画・生産プロセスは安定・効率化されます。拡張現実(AR)と仮想現実(VR)の連携により、ユーザーはより早い段階で作業準備を整え、機械の操作方法のトレーニングを事前に受けることができます。
”NavVisデジタルファクトリー・ソリューションはスキャンデータを定期的に更新し、現実世界とデジタル世界をリンクさせることで、デジタルファクトリーの応用分野に革命をもたらします。「生産環境のデジタルマッピングは未来のバーチャル・ファクトリーの基盤を築きます」”とDr. Reinshagenは述べています。

