事例
株式会社アスペリア
NavVis ✕ GIS ✕ 人流解析のシナジーで
新たな空間データ活用サービスを創出
スタートアップ企業だからこそ掛け算の付加価値が必要だった
—NavVisを導入された背景をお聞かせください
私たちは測量業界のなかでは後発企業です。そのため、従来の測量業務だけで競争するのではなく、当社ならではの強みを活かした差別化が必要だと考えました。そこで着目したのが、「測量技術」「三次元計測技術」「人流分析」の融合です。これらを組み合わせることで、単なる測量成果の提供にとどまらない、より付加価値の高いサービスを展開したいと考えました
一方で、主な事業エリアである市街地では航空法などの規制によりUAVの活用が難しいケースもあります。また、高額なMMS(車載写真レーザ測量システム)を導入して投資を回収するには大きなハードルがあります。そうした中で、機動性が高く、市街地でも柔軟に運用できるLiDAR SLAMに可能性を感じました。特にNavVisは高精度なデータを効率よく取得できることから、当社の事業戦略を実現するための最適な選択肢だと考え、導入を決断しました

点群密度、基準点補正、圧倒的にリアルな表現力
—数ある製品のなかで、NavVisを選ばれた決め手は何だったのでしょうか
以前からLiDAR SLAMには注目しており、さまざまな製品を調査していました。しかし、当時の多くの製品には「点群密度が十分ではない」「計測後の補正が難しく、結局また現地へ補測に行かなければならない」といった課題を感じていました。そんな中、YouTubeでNavVis MLXの計測動画を見て、取得できる点群品質の高さに大きな可能性を感じました。また搭載されているLiDARセンサーも測量品質を重視する当社にとって信頼できる点でした
実際にデータを比較すると、その違いは非常に大きかったですね。他製品の点群は全体的に暗く見えることがありますが、NavVisは発色が良く、空間を非常に鮮明に再現できます。写真品質に近い自然な色合いで表現されるため、現場の状況を直感的に把握しやすいです。特に自治体のご担当者など、点群データに馴染みのない方へ説明する際には大きな強みになります。「見せるためのデータ」としての完成度が高いことも、NavVisを評価した点です

—測量精度重視でしたら、地上型3Dスキャナは候補になりませんでしたか
地上型スキャナは確かに高精度ですが、どうしても死角が発生します 。死角ができるたびに三脚を移動して再計測する必要があり、広い範囲を計測する場合は作業時間が大きく増えてしまいます。その点、NavVis MLXは必要な精度をしっかり確保しながら、圧倒的な機動力があります。歩きながら効率的に計測できるため、現場での操作性の良さは大きな魅力でした
また、NavVis MLXは計測中にコントロールポイント(測量基準点)を取り込むことで、全体を平均化しながら補正できます。そのため長距離の計測でも精度を維持しやすく、万が一誤差が発生した場合でもエラー箇所を把握しやすい。品質管理のしやすさも選定理由の一つでした
現地補測がほぼゼロに。1人で現場を回せる省人化
—実際に現場でNavVis MLXを使われてみて、いかがでしたか?
吉田氏:私は今回初めてLiDAR SLAM式3Dスキャナを扱ったのですが、一番驚いたのは橋梁の下や高架下の計測です。こうした場所はドローンでは撮影や計測が難しく、従来は対応に苦労していました。しかし、NavVis MLXなら持って歩くだけで、10〜15分ほどで非常に高品質なデータを取得できます。実際に使ってみて、「こんな場所までここまで綺麗に取得できるのか」と驚きました
もう一つ大きいのは省人化です。最初の基準点設置は2名で行いますが、その後のNavVisによる計測からデータ処理、成果確認までは、私1人で全部出来てしまうんです。従来であれば複数人で対応していた作業を少人数で進められるため、現場運用の自由度は大きく向上したと感じています

—実際の業務プロセスの面では、どのような効果が出ていますか

小田川氏: 現在は主に道路台帳整備業務で活用していますが、オルソ画像を生成し、点群データをPC上で詳細に確認しながら図面作成を進められるようになりました。その結果、以前は当たり前だった現地での補測や再計測がほとんど発生しなくなりました。特に遠方の現場では、再計測のために人員や車両を再度手配する必要があり、大きなコストがかかります。そうした手戻りを大幅に削減できた効果は非常に大きいですね
現在の測量業界は慢性的な人手不足に直面しています。一方で、取得したデータをどのように活用し、付加価値につなげるかが求められる時代になっています。NavVisの導入によって、単に計測を効率化するだけでなく、取得したデータをGISや人流解析と組み合わせて活用できるようになりました。少人数でも高い生産性を実現し、新たな価値を提供できる環境が整ったと感じています
3DGS技術と自社開発「SafeFlow」の融合
—今後の展望として、この3Dデータをどのように活用していきたいか教えてください。
当社では現在、携帯GPSログを活用した人流解析システム「SafeFlow」を自社開発しています。今後はSafeFlowとNavVisで取得した3Dデータを組み合わせ、より高度な空間分析やコンサルティングサービスを展開していく方針です。例えば、ショッピングモールなどで「どこで人の滞留や混雑が発生しているか」という人流データがわかっても、それだけでは具体的な改善策までは見えてきません。そこにNavVisの3D空間データを掛け合わせることで、実際の空間構造や動線を踏まえた具体的な改善提案が可能になります
さらに近年注目されている3DGS (Gaussian Splatting) 技術を活用すれば、計測空間を極めてリアルに再現できます。人流解析結果を3D空間上に可視化することで、専門知識のないお客様にも課題や改善案を直感的に理解していただけるはずです。将来的には、混雑シミュレーションや導線改善の提案だけでなく、3D空間内にPOI(情報タグ)を配置して商品・施設情報を表示するような新しい情報提供サービスなども実現できると考えています
従来の「測量して成果品を納める」という枠組みにとどまらず、取得データを活用して新たな空間データ活用サービスを創出していく。その中心にNavVisを据え、今後も最先端技術を積極的に取り入れながら、新たな事業領域へ挑戦していきます

ホームページ:https://www.asperia.jp/

