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【徹底比較】現場で迷わない!点群データ取得は「NavVis VLX or MLX」?用途別に徹底解説
ここ数日、東京では計測にうってつけの暖かい日が続いていますが、週末はあいにくの雨の予報ですね。
梅雨入りする前に、外でたくさん点群データを取りたいと思っています。
そんな点群データ取得にピッタリの移動式レーザースキャナを弊社では2種類取り扱っています。
ウェアラブル型の「NavVis VLX」とハンディ型の「NavVis MLX」です。


NavVis VLXもMLXも、広くて複雑な現場を移動しながら短時間で高品質に計測できる3Dレーザースキャナです。
どちらのデバイスも、工場やプラントなど設備の多い現場はもちろん、道路図面の作成や文化財・社寺仏閣のメタバース化など幅広い用途でご活用いただけます。
そのため、お客様から、
「屋外の計測ではどっちのデバイスを使った方が良い?」
「機械室だとMLXの方が使いやすい?」
「VLXとMLXをどう使い分けたら良い?」
といったご質問をいただくことがありました。
今回のメルマガでは、そんなNavVis LXシリーズのデバイス選定に役立つ情報を、色んな現場でVLXもMLXも使ってきた著者の経験に基づいてお届けします。
■結論
- NavVis VLX:設備やビルなどの計測対象が四方に分散している広い現場(工場、街中、林道、など)
- NavVis MLX:入り組んだ狭いところ/床面近く/高所など、通路から死角となる位置に機器が備わっている現場(機械室、プラント、など)
■NavVis VLXが向いている現場
NavVis VLXは、設備やビルなどの計測対象が四方に分散している広い現場の計測におススメです。
NavVis VLXにはLiDAR装置が2台搭載されています。
各LiDAR装置から32本のレーザーが、それぞれ垂直方向と水平方向に幅をもってグルグルと照射されます。

具体的には胸の位置のLiDAR装置から、天井や地面などの上下方向、そして自分の両サイドにある設備やビルに対してレーザーが照射されるので、単に歩いていくだけで周辺の点群がどんどん取得されていきます。
そのため、計測対象が四方に分散していても、ただただ歩いていくという直感的な操作で点群データを取得することができます。
- 工場:作業員用の通路を歩きながら両サイドの設備を3Dデータ化
- 街中:歩道を歩きながら両サイドのビルや街路樹や電柱を3Dデータ化
- 社寺仏閣:参道や林道に至る広大な敷地をVLXで計測し、TLSで計測した本殿の点群と組み合わせ、CGのような背景映像として3Dデータ化


■NavVis MLXが向いている現場
NavVis MLXは、機械室やプラントなど、設備が入り組んでいて狭いところも細かくデータを取りたいときにおススメです。
例えば、以下のような位置にある設備も、ハーネスから取り外してMLXを手に持ってレーザーを照射することで点群データを取得できます。
- 架台の下など、かがんで覗き込むような低い場所にある設備
- 入り組んだ配管に囲まれた設備
- ハシゴやラダーを昇った場所など、高いところにある設備


さらに、弊社による最近の検証で、MLXであれば800mに及ぶトンネルも計測できることを確認しました。
トンネルは3次元的な特徴の変化(形状の変化)に乏しいため、LiDAR SLAMのみで自己位置を推定するNavVis VLXでは計測が困難でした。一方で、NavVis MLXは、LiDAR SLAMに加えてVisual Odometry(画像的な変化による自己位置の推定)も搭載しています。
そのためNavVis MLXでは、トンネル内部の汚れや模様を捉え、自己位置を見失うことなくトンネルが計測できたのではないかと考えています。
ただ、計測には条件があるため、NavVis MLXをトンネルの点群データ取得業務に使いたい方は、一度お問い合わせください。
最後に
まとめると、広い空間ならNavVis VLX、小さくて入り組んだ空間ならNavVis MLXのご利用がおススメです。
「複層のプラントではVLX?MLX?」
「施工現場など足場が不安定な現場ではVLX?MLX?」など、
今回のメルマガでは解消しきれなかったデバイス選定のお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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