ブログ
【NavVis MLX】最新製品NavVis MLXに搭載されたVisual Odometryの効果とは?
今回はそのNavVis MLXに搭載された「Visual Odometry」についてご紹介したいと思います。
そもそもVisual Odometryとは何か?というところから、この技術を搭載することで得られる計測時のメリットについて簡単に紹介します。
Visual Odometryとは何か?
一般的にVisual Odometryは、カメラから得られる画像情報を基に移動量と姿勢を推定する技術を指します。基本的な処理は、得られた画像から特徴点を検出し、それらの対応関係を把握することで、動き推定を行う流れです。
よく耳にする「Visual SLAM」との主な違いは「全体的な最適化を行うかどうか」です。Visual Odometryは局所的な位置推定のみを行うことに対し、Visual SLAMはループクロージャーを使用して全体的な経路やマップの修正処理まで行います。
Visual SLAMにはVisual Odometryの技術が組み込まれることがほとんどです。移動式3DスキャナーにVisual Odometryを搭載する大きなメリットとして「特徴の少ない環境での自己位置推定」が挙げられます。これはカメラで取得した高解像度データを利用し、画像的な特徴を捉えることで実現可能なものです。
一方で、移動体の影響を受けやすい、低照度の環境では自己位置推定が低精度・困難になるといったデメリットが存在します。
しかし、これらのデメリットはLiDARなどの他センサーと組み合わせることで補完可能です。そのため、3Dスキャナーを構成する一要素としてはとても有用な技術です。
NavVis MLX における Visual Odometryの役割
前述の通り、Visual OdometryはNavVis MLXにおいても自己位置推定のプロセスに活用されています。
しかし、NavVis MLXの自己位置推定はVisual Odometryの技術のみで自己位置推定を行っているわけではなく、LiDAR SLAMにおける自己位置推定技術も併せて使われています。
つまり、NavVis MLXの自己位置推定は「LiDAR SLAM(LiDAR)による自己位置推定」+「Visual Odometry(カメラ)による自己位置推定」により実現しています。
この仕組みにより二種類のセンサーの計測結果を用いた自己位置推定を行うことができるため、単一センサーのみの計測よりも精度が向上します。
さらに、計測可能な環境が増加することが期待できます。

NavVis MLXのVisual Odometry が効果的に働く環境
NavVis MLXは二種類のセンサーの計測結果を用いた自己位置推定を行うことができるため、単一センサーのみの計測よりも精度が向上します。これにより、今までLiDAR SLAMの特性上計測が難しかった「三次元特徴の変化が少ない環境」での計測が成功する可能性があります。
具体的には長い廊下やトンネルといった環境が挙げられます。そのような環境ではLiDARデータのみでは同じような特徴しか検出できず、計測が失敗することがほとんどでした。
しかし、Visual Odometryでは、レンガやタイルや標識といったちょっとした模様を特徴として認識することで自己位置を推定し、計測が可能になるケースがございます。
弊社の検証ではレンガ造りのトンネルを計測することができました。データとしても見栄え良く仕上がっており、MLXだからこそ計測できた事例の一つだと考えています。

このトンネルの計測結果は、NavVis MLXで計測可能な環境の幅を広げてくれる一例となりました。今後も実測値との比較検証なども含め、計測事例について積極的に発信していきたいと思います。
「これまで上手く点群が取れなかったトンネルを計測してみたい!」
「点群の活用先はあるのに計測が難しい…」
等々ございましたらコメント、ご連絡お待ちしております!
▼毎月配信!KKE NavVis Mailより、最新の情報をお届けします▼

